障害者枠での就職でアピールになりそうな資格
前回の記事にて、私が思う資格取得のメリットや、障害者枠で大企業に就職できたのはブランク期間中に資格をたくさん取ったから、と書きました。
今回は、どんな資格を取れば障害者枠での就職にアピールになるのか、私がどういった資格でアピールしたのか、具体的に書いてみようと思います。
あくまで私の個人的な考えと経験によるものなので、参考までとお考え下さい。
以降、大企業の障害者枠によくある、事務系・一般職の仕事を想定して書いていきます。
ですが、2つ目までの資格は、どんな仕事であっても、特に精神障害者手帳を持って障害者雇用を目指す方にはもれなくアピールになるのではないかと思います。
秘書検定・ビジネス実務マナー検定
どちらも同じ団体が主催している資格試験で、難易度もほとんど変わりません。
女性は秘書検定、男性はビジネス実務マナー検定を取るのが無難なのではないかと思います。
私は両方の2級を持っています。どちらも似た内容ですし、片方を勉強すればもう片方はほとんど時間を掛けず合格できます。
「発達障害です」というと、障害についてある程度詳しい人事の方からはまず「社会性はあるのか」を心配されるのではないかと思います。
そんなとき、これらの資格があれば、社会人としての最低限の常識を持っていると見なしてもらえるのではないでしょうか。
2級まではそこまで難しい資格ではありませんが、発達障害の私たちには一般の方より大きなアピールになるのではないかと思います。
ちなみに、3級も2級も難易度はそこまで変わりませんし、マナーについては学んでおいて損はないので、2級をお勧めします。
メンタルヘルスマネジメント検定
大阪商工会議所主催の検定で、公的資格なのでそれなりに知名度もあるように思います。
私のように、精神的に落ち込んでブランクができてしまった方には、良いアピールになる資格だと思います。
精神障害者は、「体調が不安定」というイメージを持たれがちです。
勤怠が安定せず突然欠勤するのではないか、そういう不安が大きく、精神障害者手帳の方は採用されづらいのではないでしょうか。
学ぶ中身のセルフケア部分では、ストレス対処・リラクセーションのための呼吸法や漸進的筋弛緩法や、相談機関・医療機関の制度についてなど、今後の参考になることもたくさん載っていますので、今後の人生のための勉強としても良いと思います。
私は合格した資格の参考書を見直すことはほとんどありませんが、この資格のテキストは事あるごとに読み返しています。
「安定して働けるように・自分自身の体調の変化に気づけるように、メンタルヘルスの勉強をした」と伝われば良いなと思い、私はこの資格を履歴書に書いていました。
なお、2級に当たるラインケアコースもそこまで難しくありませんが、3級に当たるセルフケアコースでも、人事担当者を安心させるという目的では有効だと思います。
パソコン系の検定
事務職として働くには、パソコンを始めとしたOA機器の扱いができることでアピールになります。
「パソコンを使えます」と伝えても、どの程度使えるのかは分かりません。
極端な話、もしかしたらただインターネットで検索ができる程度かもしれませんし。
資格を持っていれば、「仕事に役立つパソコンスキルを最低限持っているのだな」と見なされるはずです。
「エクセルのVBAを使って、業務改善に役立てるマクロを作れます」なんて方はわざわざ資格を取らなくてもアピールできますが、私にはその能力が備わっていないので、資格取得という形で「最低限のパソコンスキル」をアピールしました。
パソコン系の実技の検定として有名なのはMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)ですが、受験料が高い(1科目1万円以上)ので、私は受験しませんでした。
私がアピールに使ったのは、ICTプロフィシエンシー検定協会というところが主催している「P検」です。
2級はエクセル・ワード・パワーポイントをバランス良く勉強することで合格できますので、就職後も役に立つはずです。
また、ITパスポート試験は国家資格なので知名度があります。
文系の方でも一通り勉強すれば合格できますし、仕事でも役に立つ内容だと思います。
ちなみに、私が以前いた会社は、この資格を社員全員が取るよう推奨していました。
最低限のネットリテラシーは全員が身に付けておいてほしい、という考えのようでした。
ビジネス電話検定
こちらは、前述の秘書検定・ビジネス実務マナー検定と同じ団体の資格です。
なお、私はこの資格は取得していません。
これを履歴書の資格欄に書いてしまうと、電話応対が「得意・慣れている」と思われそうなので、苦手・苦痛に感じている私は、例え取得できたとしてもアピールはしないです。
発達障害の特性は人それぞれで、電話応対が得意な方もおられます。
大手企業の障害者雇用の一般事務求人を見ていると、「電話応対必須」というものがとても多いですし、電話応対をそつなくこなせる方はアピールになるはずです。
電話応対ができるか否かにより、就職の選択肢が大きく変わってきます。
「電話を実際に何度も取り、パターン化できるようになれば、電話応対を普通にできる」ような発達障害の方もおられるそうなので、遠回りかもしれませんが、このような資格を通じてまずは電話の作法・知識を学び、実務にすんなり入れるよう準備するのも良いと思います。
合格率は非常に高いので、まずは知識A級を取り、それから実践級まで進むのが良いと思います。
日商簿記
言わずと知れた、有名な資格です。
取りたい・役に立つ・人気など、色々な資格ランキングで最上位に出て来ます。
ADHDの苦手とする仕事に経理が挙がっていることが多いです。
単調でミスが命取りだからかと思いますが、障害者雇用の一般事務でも経理事務の仕事は多いですし、何より簿記は学んでおいて損はありません。
私は3級の勉強を進めるうちに楽しくなってきて、2級まで取得しました。
2級合格までに200時間は勉強したと思いますが、勉強はそんなに苦痛ではなく、むしろ「この仕事ができたら楽しいだろうな」とすら思うことに出会えた気がします。
今のところ経理の仕事を任されたことはありませんし、発達障害の特性からうまくできないかもしれませんが、周りで飛び交う経理用語が何となく理解できるようになれただけでも収穫だと思っています。
障害者雇用では、「やることがなくて暇」という人も多いようです。
大きなアピールにはならないかもしれませんが、3級でも取っておけば、「せっかく簿記の基礎知識を持っているのなら経理事務の仕事をやってもらおうか」などの機会が増えるかもしれません。
長所をアピールできる資格
漠然としていますが、結局はこれが強いはずです。
自身の長所をアピールできて、周りの人より上に立てるような資格。
前職や学校で学んできた分野の箔を付けられる資格、実務経験の少なさを挽回できる資格。
難しい資格を持っていると、「これが得意なのか。あの仕事をやってもらえそうだ」と、即戦力として採用してもらえるかもしれません。
私は「視野を広げる」という目的で色々な資格を取ってみましたが、発達障害に関する本を読んでいると「専門分野を突き詰めるのが良い」という主張がなされていることがほとんどです。
得意もしくは楽しいと感じる、プログラミングや語学を突き詰め、プログラマーや翻訳家として生きていく。
そういったものが見つかった人は、それを突き詰め、実力でお金を稼げることが最高の幸せなのでしょう。
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