私が思う資格取得のメリットと向き合い方
履歴書には、免許や資格を書く欄があります。
ここに書くことがない、自動車免許だけで十分だ、という方は多いのではないでしょうか。
就職において資格なんて役に立たない、という方の言い分も良く理解できます。
ですが、私は資格のおかげで大企業の障害者枠に採用されたと確信していますし、精神的にもとても役に立ちました。
ですので、私の感じた資格取得のメリットや向き合い方を書いてみようと思います。
障害者枠での就職を目指す方だけでなく、一般枠であってもブランクがある方などにも同じ考え方ができると思いますので、記事タイトルには障害者と入れていません。
難関資格は目指さない方が良い
資格取得が大きく評価されるのは、「働きながら」合格できたときです。
仕事をせずに勉強していたものの資格は取れなかった、という場合のリスクが大きいです。
就職を目指している場合、資格合格がゴールではないはずです。
資格勉強をメインには置かず、就職活動がおろそかにならないレベルで抑えておくのが大切です。
残念ながら、難関資格を取れたところで、実務経験が無ければなかなか評価されません。
役に立ちそう・アピールできそうな資格を、取れそうな範囲で取るのが良いと思います。
また、特に私のような発達障害の方の場合、「飽きっぽさ」が少なからずあると思います。
「先の見通しの立てづらさ」も相まって、長い期間・時間を要する資格は無理しない方が良いと思います。
その上、良い結果が得られなかった場合は自信喪失にもつながります。
最初は小さい目標を立て、達成していくのが大切だと思います。
そもそも、将来の保証がない中で、難しい試験の勉強をする精神力は私にはありません。
私は入社後、「確実に今の会社で評価される難関資格」と出会い、今はそれの合格に向けて勉強中ですが、先の見えないブランク中なら困難だったと思います。
ブランク期間の過ごし方に最適
私は前職を適応障害で退職後、発達障害と分かり障害者手帳を取るまでの2年以上に及んだブランク期間があります。
退職後しばらくは何も意欲が沸かなかったものの少しずつ動けるようになりましたが、「これから先どうしていけば良いか」は全く見えませんでした。
働いていない間は、悪く言えば「スケジュールに縛られない、何もしなくても家族以外には迷惑は掛けない」状態でした。
そんな中、これはマズイと危機感が募り、始めたのが資格の勉強です。
資格はお金を払って事前に申し込まなければならないので、合格しないと勿体ないという気持ちにもなりました。
試験日に向けて勉強するという目的が得られたことで、毎日に少しだけ張りが出てきました。
もし私が資格試験の勉強をしなければ、就職に対するモチベーションが上がらず体調が停滞したまま、就職活動も捗らずブランクがもっと長引いていたのではないかと思います。
この「決まった日までに間に合わせる」というのは、仕事でも同じことだと思います。
試験日に向けスケジュールを組んで勉強する、それが再就職に向けての良いリハビリになりました。
多数の資格取得で自信を付ける
情けない話ですが、資格勉強を理由に就職から逃げていた時期がありました。
しかも、意志の弱さ・現実逃避するため、大して勉強せずスマホゲームに没頭したり。
それでも、そんな私を結果的に救ってくれたのは、決して難易度が高くないながらも、勉強して取った資格です。
15個程度の決して難しくはない資格で、参考書などを含めると10万円ほどの出費をしました。
私の場合、実家暮らしで前職での貯金も少しあったうえ失業手当も出ていたので「将来きっと役に立つはず」と色々受験しましたが、半分は簡単すぎたりアピールしづらい「無意味な資格取得」に終わってしまいました。
結局は金銭的に余裕があるかどうかにもなってくるとは思いますが、ブランク中は「今後役に立つだろうと思ったら申し込む」ようにしていました。
結果的に役に立たなかった・今後も役に立ちそうもないものを含め、10万円も使いましたが、全く後悔していません。
少なからずの勉強=努力をして合格、という「多数の成功体験の積み重ね」ができたためです。
発達障害の方は、過去の数々の失敗経験から、自信・自己肯定感が不足している場合が多いようです。
そんな私でも、自信がなくなった時に合格証を眺めていると少しだけ自信が取り戻せます。
私の場合、発達障害の「想像力の欠如」が強いのか、「目に見える成長の証」というのが自信や安心感に繋がっている気がします。
合格証は100%ポジティブな要素です(私は「勿体ないお金の使い方をしたなぁ」と思わないので)。
ネガティブなことも書いている日記を読み返すのは、自分の思考を振り返る時など、それが良い時もありますが、単に「自信を取り戻したい」という時は、ポジティブな内容の集まりに目を通すのが良いと思います。
そういった「形のあるお守り」のようなものが得られたのが、私にとってとてもプラスになることでした。
色々な視野が広がる
最近になってようやく気付けたことですが、私は発達障害のためか、物事に対する視野がとても狭いようです。
思い込みが激しい、というのでしょうか。
例えば、「理系の大学を出たから、理系の仕事をしなければならない」といった思い込みです。
実際の周りの人たちを思い返すと、理系学部なのに「向いていない」と自己判断できた人は、公務員を目指して文系の勉強していました。
普通の人からすれば当たり前の方向転換なのかもしれませんが、私の頭の中にはそんな考えの欠片もありませんでした。
ブランク期間に、簿記などの、今まで全く関わってこなかったような勉強もしました。
そこで簿記の面白さも知りましたし、前の会社でやっていた全く違う仕事より向いているのではないかという発見もできました。
難しい資格でなく簡単な資格で良いから、幅広く勉強してみる。
それが視野を広げる助けになるのではないでしょうか。
ブランク期間のアピールになる
私自身、どんなに簡単な資格でも視野を広げる役に立つのではないか、と思いながら勉強していましたが、取得した資格を履歴書に書くことで、就職面接でブランク期間について厳しく突っ込まれることはほとんどありませんでした。
ブランク期間をポジティブに説明できない方は多いと思います。
私には2年ものブランクがありますので、「就職活動をしていた」なんて言うと、むしろマイナス評価につながるはずです。
ですが、履歴書の資格一覧に厳選した5,6個の資格を記載し、「視野の狭さがあることが分かったため、ブランク期間中にこれまで勉強してこなかったものに触れることで、新しい発見や自分の能力が見つかるのではないかと思い、体調的に無理をしない程度に、簡単な資格かもしれませんが様々な資格を取ってきました」などと伝えれば面接官には厳しく言われることはありませんでした。
私は、資格試験を通じて就職活動における安心材料も得られました。
現在働いている会社の人事の方からも、「勉強家のようだし、とりあえず色々なことを任せてみて、適性を見たいと思っている」という、とても嬉しいお言葉をいただきました。
障害者枠といえど、期待感を持たれながら働ける、というのは、とても幸せなことだと思います。
障害者枠での就職活動では、辛い思いもしましたが、「見てくれる人はいる、評価してくれる会社はある」ようですので、私のように「この先どうしていけば・・・」という不安、「障害者雇用だが仕事が退屈で転職したい」などと悩まれている方は、まずは簡単なところからでも勉強してみてはいかがでしょうか。
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